シングルセル解析前処理のための
テブリスと赤血球の除去

CELLNETTA用途事例

これまでの遺伝子発現を調べる方法は、細胞集団を1サンプルとして解析し平均的なデータを得る手法でした。シングルセル解析では細胞1つ1つの遺伝子発現を解析し、細胞集団の多様性、疾患における細胞間相互作用、特異的マーカー遺伝子の探索、薬物治療抵抗性の制御機構などの研究に応用されています。 シングルセル解析で高精度なデータを得るために最も重要なことは、解析したい細胞以外のもの(以後、夾雑物と呼ぶ)を極力除去した質の良いサンプルを調製することです。 サンプルに細胞片などのデブリスや赤血球が多く存在すると、シングルセル解析時にデータの信頼性に影響し、コスト面でも大きな問題となります。また、サンプル調製の際に必要な細胞をロスしてしまうことも問題となります。
今回は、東京理科大学生命医科学研究所炎症・免疫難病制御部門准教授上羽悟史先生(※2021年10月時点)が行った、シングルセル解析前処理のためのデブリス、 赤血球除去にCELLNETTAを用いた事例をご紹介します。(動画でも紹介しています)

赤血球とデブリス除去による
シングルセル解析前処理編

実施方法

  1. マウス肺組織を酵素消化で分散した粗精製細胞懸濁液を調製し、各種細胞表面マーカーと生細胞染色用蛍光色素Calcein-AMで染色する。
  2. CELLNETTAを親水化処理する。
  3. 6 wellplateの3 wellに緩衝液を各5 mL入れておく。1 wellに3 mLの緩衝液を入れておく。
  4. 緩衝液が5 mL入ったwellにCELLNETTAを入れ、①で調製した細胞懸濁液を1 mL添加する。
  5. CELLNETTAを緩衝液中で2~3回上下した後、新しい緩衝液が5 mL入ったwellに移す。この作業をもう一度繰り返す。
  6. 緩衝液が3 mL入ったwellにCELLNETTAを沈め、細胞を浮遊させる。
  7. 10回程度ピペッティングし、懸濁液を1 mL回収する。
  8. ⑦の作業をもう一度繰り返し、合計2 mLの細胞懸濁液を回収する。
  9. ⑧で回収した細胞懸濁液を、死細胞染色用蛍光色素PI(PropidiumIodide)で染色し、フローサイトメーターで解析する。

詳細は、CELLNETTAのユーザーガイド「親水化マニュアル」をご覧ください。

結果

肺組織を酵素消化で分散した粗精製細胞懸濁液には、デブリスや赤血球といった解析したい細胞以外の夾雑物が全体のうち70.5%含まれています(図1:Whole)。 こうした夾雑物の除去を目的として一般的に使用される密度勾配遠心法では、処理後の夾雑物の割合は4.2%に減少しました(図1:密度勾配遠心法25/65%)。 夾雑物と解析したい細胞の間には、大きさの違いがあります。そこで、CELLNETTAを用いて精製した結果、夾雑物は6.4%に減少しました(図1:4 µmCELLNETTA)。
さらに、処理前の細胞懸濁液に対するCELLNETTAと遠心処理後の懸濁液中の細胞回収率を比較すると、CELLNETTAでは密度勾配遠心法より各細胞種のロスを抑えられていました(図2)
なお、密度勾配遠心法の処理時間が40分程度かかるところ、CELLNETTAでは10分以内に短縮することができました。

今回の結果から、シングルセル解析の前処理にCELLNETTAを用いることで、高精度かつ短時間にデブリスと赤血球を除去できることが分かりました。

図1:フローサイトメトリーの結果
図1: フローサイトメトリーの結果
図2:処理後の各種細胞回収率※
図2: 処理後の各種細胞回収率※
※回収率 =
処理後の細胞懸濁液中の細胞数 処理前の細胞懸濁液中の細胞数
× 100

使用したCELLNETTA

メッシュサイズ マルチウェルプレートモデル 品番
4 µm(特注品) 6ウェルプレート適合 お問合せください
12ウェルプレート適合 お問合せください

注意事項

  • ・本品は医療機器ではありません。
  • ・本品は開発品です。
  • ・本品を実装した完成品を、直接市場に出さないでください。

CELLNETTAの詳細情報

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細胞向け分画フィルタ CELLNETTA MZM1シリーズの画像
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フリックしてご覧ください。
50 ml遠沈管適合サイズ
メッシュサイズ(µm) 梱包数量 品番 事例
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※目的の細胞よりやや小さいメッシュサイズの使用を推奨しております。
用途やメッシュサイズの選定については、お気軽にお問い合わせください。

※細胞形状・流速条件等により、通過挙動は変化します。