自らの変化を目でみて確認、行動変容を促進し社会復帰へ
転地療養における『疲労ストレス計』の活用

疲労ストレス計 MF100 
導入事例:株式会社リヴァ様

株式会社リヴァは、うつ病に悩む方を対象に、職場復帰や再発予防訓練、再就職支援などを手掛けています。
同社が展開する『ムラカラ』は、宿泊型の転地療養サービスで奈良県下北山村のシェアハウスで共同生活を送りながら、メンタルケアをサポートしています。
自然豊かな環境の中で身体の調子を整えながら、多様な人と交流して人生を振り返り、新たな生き方を模索する。
そんなサービスにおいて、利用者の行動変容を促すツールとして活用されているのが『疲労ストレス計』です。

株式会社リヴァ様

主観評価と疲労ストレス計の客観評価の一致がモチベーションアップにつながり、施設利用者の行動変容を後押ししてくれる効果を実感。

うつ病に苦しむ人の社会復帰を支援する

― はじめに御社の沿革と事業概要を教えてください。

青木様 当社は、「自分らしく生きるためのインフラをつくる」というビジョンのもとに事業を展開しております。うつ病など気分障害の方に特化した社会復帰支援サービスをメインで行っており、展開している事業は4つあります。個人を対象として、うつ病支援を行う通所型のサービス『リヴァトレ』、法人契約で大手企業専属のリワーク施設を運営する『リヴァBiz』、福祉サービスの事業者様に対するシステム開発や改善を行う『LACICRA』、そして奈良県下北山村で展開している宿泊型のサービス『ムラカラ』があります。社会復帰支援のサービスにおいては、単純にもと居た場所に戻ることを支援するだけではなく、今後の生き方や働き方を再検討して再出発を試みる機会を提供したいと考えました。もちろん、ご自身で考えた末に納得して、元の職場に復帰するのもありだと思っていますが、他の選択肢を検討しない中で、盲目的に選択してしまうのはもったいないと思います。うつ病などのメンタル疾患を発症した背景には、環境とご自身との間で何かしらの不適合があったのだと思いますので、休む時間を確保できたのであれば、自分自身の生き方や働き方を見つめなおす時間に充てていただくのは意味があることなのではないか、と考えています。

ムラカラの概要

森田様 以前から、都市部から離れた場所で生き方を見直すとよいのではと考えていました。そんな時、ある方に誘われて、下北山村で行われたイベントに参加したのです。とにかく東京から“ものすごく遠いところ”が第一印象であり、同じぐらい強く印象に残ったのが、自然の美しさと村の方々のあたたかさでした。雄大な自然に恵まれた場所で、宿泊型の転地療養をすれば何より心地よいだろうし、都会で絡め取られてしまっていた人間関係の呪縛からも解放されるのでは、と考えたのです。イベントから戻って新事業として『ムラカラ』の起ち上げを社内で提案しました。

下北山村の様子

― 森田様の提案を受けて、すぐにゴーサインを出されたのですか。

青木様 私と経営者の二人そろって、新卒入社で来てくれた森田からの提案をとても嬉しく思いました。実は私も宿泊型の事業プランを温めていたのです。「ともかく試しにやってみようか」と前向きに検討を始めました。もちろんビジネスであるからには採算性も考えなければなりませんが、実際に下北山村を訪れてみて、環境のよさを実感しました。ここなら必ず素晴らしいサービスを提供できる。そんな直感は3年間の下準備を行う間に確信に変わり、2020年11月に事業所を開設したのです。

自らの変化を、確実に行動変容につなげる

― オープンしてから1年と3か月になるわけですね。

森田様 これまでに10名の方にご利用いただきました。離職された方、休職中の方などがおられて、そのうちの7名が復帰されています。しかも、下北山村を気に入って移住した方が3名いて、その内2名は定住されました。皆さん利用後の変化は大きく、その大きな理由として考えられるのは、ここで暮らすとまず体調が整うからだと思います。合宿生活をするので、生活リズムが規則正しくなります。朝食と夕食は私たちが提供し、昼食は利用者の皆さんで協力して作り合っています。豊かな自然の中で体を動かすだけでも、体内リズムが都会にいる時とは変わってくるのでしょう。

― 都会での通所型サービスとは、大きな違いを感じます。

青木様 そうですね。都会でのサービスでは施設の中での取組みがメインとなるのに対して、ムラカラは生活丸ごと環境を変えて取り組むので、必然的に利用者さんご自身の取り組みに集中することが出来ますし、スタッフとしても日々の利用者さんの体調や気分の変化をつぶさに見ることが出来ます。一方で、スタッフの見立てをもとに利用者さんの支援を行っているのですが、その変化を客観的な数値データでも確認できるといいなと考えていました。

ムラカラ一日の流れ

― そのタイミングで『疲労ストレス計』と出会われたのですか。

森田様 村の地域振興課の課⾧さんからTA商事様をご紹介いただきました。初めは自律神経を測れるらしいというお話だったので、とにかく伺ってみようと思ったのです。話を聞いているうちに『疲労ストレス計』を客観的なバロメーターとして使えば、私たちのサービスにとって強力なツールになると感じました。ちょうどタイミングよく、ICTに関する助成金が出るとの話もありました。そこで県内で最も山奥にいながら最先端の技術を活用できれば、ひとつの強みになるとも考えて応募したのです。私たちが必要としていたのは『疲労ストレス計』から得られる科学的な根拠です。豊かな自然の中でケアすれば体調が回復するだろう、というのはイメージとしてはよく分かる話です。
ただ感覚的に納得できるとはいえ、その根拠を問われるとなかなか答えにくい。そこに『疲労ストレス計』での計測データがあれば、客観的な事実を付け加えられます。同時に、サービスを受けるご本人も、自分の状態の変化をひと目で確認できます。このような説明が評価されて提案が採用され、導入にいたりました。

― 実際に使われてみての感想はいかがでしょうか。

青木様 まず、自律神経の状態がマトリックスでひと目で分かる点は、利用者さんにもとても好評です。皆さん入所時に計測すると、自律神経の機能が落ちていて、交感神経と副交感神経のバランスも偏りがちです。この結果にまず、皆さんも納得されるわけです。ポイントは、そこからの変化です。自然の中で体を動かし、規則正しい生活や食事を続けていると自律神経が整っていく。もちろん一気に一直線に改善というわけではなく、自律神経の変化には波はありますが、それでも明らかに良い方向に向かっている様子を、自分で見て確認できます。可視化されることで、自分にとって良い行動パターンや習慣を促すことに活用できています。

測定結果を説明している様子(自分自身の状態の変化を確認)

主観評価と客観評価の一致がモチベーションアップに

― 実際の測定は、どのようにされていたのでしょう。

森田様 導入当初は、毎日測定していました。これをある時期から、週初めと週終わりのそれぞれ朝夕の合計週4回の測定に変えました。利用者さんには毎朝、測定とは別にご自身による主観評価をお願いしています。ポイントは、主観評価と客観的な『疲労ストレス計』による測定結果との比較です。結果が一致すれば何も問題はありません。
実は結果にずれがある場合が、より振り返りの良い機会となるのです。主観評価より測定結果が悪い場合、良い場合のいずれも、その理由を自発的に考えるようになります。そこで体調やコンディションにより気を配りながら、一日を過ごすとどう変わるのか。日々のプログラムによる変化を実感してもらえると、その体験は利用者さんにとって貴重な財産となります。

― 入所時からの変化も追っていけますね。

青木様 ここに来てから何カ月か過ごした間の変化を、時系列で振り返ることができます。ご本人は直近の測定結果が印象に残っていますが、利用初期からの変化をお見せすると、自分がどう変わってきたかを確認していただけます。好不調の波は当然あるものの、全体的な傾向としてみれば、明らかに整ってきている。客観的なデータとして、改善が裏付けられるので、納得感が違います。

(左から)疲労ストレス計の測定(客観評価)と問診の様子(主観評価)

― 変化するからには、何らかの要因が考えられるのでは?

森田様 まさにその要因を一緒に考えるきっかけにします。何がよかったのだろうとか、あるいは少し落ち込んだ原因は何だったのだろうと振り返ってみる。そこで得られる気づきが、利用者の皆さんの今後にとっての大切な学びにつながります。
ムラカラを出て復帰先でも、多かれ少なかれ好不調の波が起こるでしょう。そんな時に要因を考えて状況を変えたり、好調を維持したりするために何をすればよいかを考えてもらいやすくなります。

― 『疲労ストレス計』の使い勝手などはいかがですか。

森田様 計測器自体はコンパクトで使いやすく、利用者の皆さんに興味を持ってもらえる点もメリットだと思います。可能であれば、服薬による計測結果への影響など、学術的な説明があれば教えてもらえるとありがたいです。実際に使ってみての有用性、特に利用者さんの行動変容を後押ししてくれる効果を実感しているので、今後リヴァのほかのサービスでの活用も検討していければと思います。

株式会社TA商事・黒野様コメント

自律神経は、時間により変化します。その変化によって自分の状況をひと目で理解してもらえる点が、大きなメリットだと考えました。交感神経と副交感神経の揺れ具合を、マトリックスによりひと目で理解できる上、一定期間内の変動もつかめます。計測が正確だからといって、簡単に使えないと意味がないので、シンプルな操作性も推しのポイントでした。

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主観評価と疲労ストレス計の客観評価の一致がモチベーションアップにつながり、施設利用者の行動変容を後押ししてくれる効果を実感。

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