ヘリコプターの安全運航は操縦士の疲労管理から
健康経営に『疲労ストレス計』を活用

世の中には「特に疲れる」仕事がいくつもあります。その典型が、ドクターヘリのパイロット。いつ出動要請がかかるかわからず、いざ出動となれば、直ちに人命のかかるフライトに飛び立たなければなりません。しかもドクターヘリ運航時には、安全を確保しながら最短時間での現場到着を求められます。操縦するパイロットには、かなり負荷のかかる業務です。そこでセントラルヘリコプターサービス社では『疲労ストレス計』を導入し、パイロットや整備士の疲れを可視化しチェックしています。

■目的:ヘリコプターに求められる安全運航の確保

―最初に御社の沿革と業務概要を教えてください。

森岡様 弊社は1967年、ヘリコプターの運航業務に携わるエアーリフト株式会社として設立されました。その後2007年に朝日航洋株式会社グループの一員となり、同年セントラルヘリコプターサービス株式会社に社名を変更しています。主要業務は、ヘリコプターの運航と整備、そして教育訓練の3事業です。運航業務ではドクターヘリの運航と、山岳救助や火災消火活動などの消防防災機の運航を受託しています。なかでもドクターヘリについては、日本で初めて導入したのが当社でノウハウも数多く蓄積しており、現在は4つの医療機関の運航を担当しています。

―ドクターヘリの運航は人命救護が目的だけに、責任の重い業務ではないでしょうか。

森岡様 まさに人の命を救うことが使命であり、飛行の安全を絶対に確保しなければなりません。パイロットはもとより、同乗する整備士も、ヒューマンエラーを起こさないよう業務に際しては常に緊張感を求められます。そのため心身ともにベストな状態で業務に臨むのが大前提であり、綿密な体調管理が欠かせません。

―体調管理は、どのように行われていたのでしょうか。

松本様 以前は勤務に就く前に対面によるチェックを行っていました。基本的には運航管理者が、乗員の健康状態を顔色などに注意しながら目視で確認し、さらに乗員の自己申告も合わせて確認をしていました。疲労管理は基本的に脳の疲労をみるわけですが、その解決策は基本的に睡眠をとることです。

―安全管理規程に関する行政指導もあったそうですね。

森岡様 ICAO(国際民間航空機関)のガイダンス内容に基づいて、我が国でも航空機乗組員の疲労に関する情報をハザードとして取り扱うことが2017年に義務付けられましたが、疲労を測定する具体的な方策が明確には示されていませんでした。そこで弊社では独自にパイロットや整備士の疲労を客観的に評価・管理するツールを探していました。

■課題:疲労状況を「見える化」して正確に把握する

―『疲労ストレス計』は、どこで知ったのでしょうか。

松本様 前社長がインターネット検索などにより、いろいろ探している中で村田製作所様の『疲労ストレス計』を見つけたと聞いています。疲労を客観的に数値化・見える化できる点、しかもその客観評価が医学的背景のあるアルゴリズムに裏付けられている点に注目したようです。測定が非侵襲で簡易、安静状態でセンサを2分間握るだけで測定できるのも、多忙なパイロットたちにとって大きなメリットとなります。

―導入するとなると、台数もそこそこ必要ですね。

松本様 そのとおりです。弊社は国内でのヘリコプター運航拠点が複数あり、導入が決まれば各拠点に設置する必要があります。また運航と整備の両部門で疲労を把握しなければなりません。導入時には一度に複数の台数を揃えることになるため、投資対効果の高さも重要な判断基準となります。また使い勝手を考えれば、持ち運びのしやすさも欠かせないポイントです。たまたま導入を検討していた時期が、社内携帯電話の切り替え時期にあたり、スマートフォンと連動して測定データを確認できるのも利便性が高いと評価しました。